今年も2日、3日と箱根駅伝の中継を楽しみました。
青山学院大学が圧倒的な強さでの優勝でしたね。
しかし毎年心が痛むのが、特に復路で何度か見る繰り上げスタートです。
今年も日体大が、8区から9区へのリレーとなる戸塚中継所でわずか7秒間に合わず、母校の襷(たすき)が途切れてしまいました。
ところで、日体大は総合17位でしたが、それよりタイムでは劣る19位だったのに、見事に襷をつないだのが、初出場の駿河台大学でした。
大会後、駿河台の徳本監督が、「10区間繰り上げ無しで襷が繋がる事を意識した区間配置にした」と話したのを聞いて、繰り上げスタートのルールを確認したところ、初めて正確にわかりました。讀賣新聞のサイトによれば、次のようになっています。
〈往路〉 1~2区の鶴見、2~3区の戸塚では先頭走者通過から10分。3~4区の平塚と4~5区の小田原は15分。
〈復路〉 すべての中継所で1位のチームから20分。
駿河台が襷をつなぐことができたポイントは、このルールで往路と復路でのタイム差が「別物」の扱いになっていることでした。
駿河台は往路の繰り上げルールは何とかクリアしましたが、20位フィニッシュでトップの青学から19分以上離されていました。もし復路のルールが「通算タイムで20分」であったなら、6区から7区への引き継ぎで繰り上げでした。
しかしこのルールでは、往路で10分以上差がついたチームは復路が一斉スタートとなり、駿河台大もトップから10分遅れで復路の20分ルールが適用されます。
もちろん、総合成績ではあくまで19分遅れからのスタートとしてタイムを計測しますが、「復路中継点での繰り上げ」のルール上は、スタート時点が10分遅れで済んだのです。
この結果、復路で6区〜9区を終えるまでの引き継ぎの間に、復路合計タイムがトップより10分以上離されなければ襷がつなげるという仕組み。これを考えた末の、復路で粘る作戦でした。
結果は、6区が区間3位(青学より16秒速かった!)、最終10区が7位など、復路だけの順位では15位となる健闘を見せ、見事に襷がつながったのでした。
ただ、往路のルールの最後にある「5区の小田原は15分」が実はピンチでした。「31歳の箱根ランナー」として話題になった今井選手が、教師としての教え子だった永井選手につないだ時、先頭から12分52秒遅れ。ここをしのいだことで復路に望みをつなぎ、最後まで襷はつながったのでした。
こうして、徳本監督のエントリー配置が見事に当たりました。初出場の選手たちにとって、この上ない達成感が得られたことでしょう。本当によかったと思います。
もちろん、本番でブレーキを起こさないふだんのトレーニング、そして靴も大切ですね。
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